省エネ塗料の効果とメンテナンス性に優れた最新塗料の紹介
公開:2024.11.20 更新:2024.12.04
省エネ対策への関心が高まる中、住宅のエネルギー効率を向上させる方法として「省エネ塗料」が注目されています。特に、遮熱塗料や断熱塗料は、室内の温度管理を助け、光熱費の削減に役立つ点で注目度が高いです。
これらの塗料を活用することで、快適な住環境と環境負荷の軽減を両立することが可能です。こちらでは、これらの塗料の具体的な特徴や効果について詳しくご紹介します。
目次
省エネ意識の高まりで注目される省エネ塗料
省エネ意識の高まりとともに、住宅のエネルギー効率を改善するさまざまな方法が注目されています。その中でも、省エネ塗料は特に注目を集めており、温暖化対策や光熱費の削減に貢献する効果的な選択肢となっています。
◇省エネ意識の高まり
最近、省エネへの関心が再び高まっています。特に、和歌山県のような自然豊かな地域では、環境を守るために省エネを意識した住宅づくりが重要とされています。
アットホームのアンケートによると、住宅購入を検討している人の70%が「省エネを意識して住まいを探している」と回答し、さらに多くの人が「環境に配慮した住宅に興味がある」と述べています。
省エネに関心があるのは若い世代だけでなく、40~50代の世代にも広がっており、特にこの世代では光熱費の高さをきっかけに、省エネ対策を意識するようになった人が多いことがわかります。
実際に省エネ対策を実施している人も、20~30代で77%、40~50代で88.5%と高い割合を示しており、年代を問わず省エネに対する意識の高まりがうかがえます。これらの結果から、今後さらに省エネ住宅への需要が高まることが予想されます。
引用:アットホーム
◇注目を集める省エネ効果を持つ塗料
住宅の省エネ対策として、太陽光パネルと並んで注目されているのが、省エネ効果のある塗料です。省エネ塗料には主に2種類あります。1つは「遮熱塗料」で、これは太陽熱を反射することで室内の温度上昇を抑え、エアコンの使用を減らす効果があります。
もう1つは「断熱塗料」で、遮熱効果に加えて断熱効果もあり、夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を保ちます。これらの塗料については次の章で詳しくご紹介します。
これらの塗料を使用することで、太陽光の紫外線や雨水から家を守り、耐久性を高めることができ、結果的に省エネ効果が得られるため、住宅の快適性を向上させるとともに、光熱費の削減にもつながります。
遮熱塗料と断熱塗料

画像出典:フォトAC
省エネ塗料には、特に注目されている2つの種類があります。それが「遮熱塗料」と「断熱塗料」です。これらの塗料は、いずれも住宅のエネルギー効率を高め、光熱費の削減に役立つ効果がありますが、その働き方にはそれぞれ特徴があります。
◇遮熱塗料
遮熱塗料は、住宅内の熱の原因となる太陽光を反射させることで、屋根の温度上昇を防ぎ、室内温度の上昇を抑える塗料です。屋根や外壁に遮熱塗料を塗ることで、夏の強い太陽光による温度上昇を防ぎ、室内を快適な温度に保つことができます。
これにより、エアコンなどの温度調節機器の使用を減らし、省エネや電気代の削減にもつながります。遮熱塗料と似た効果を持つ塗料に断熱塗料があります。主な違いは、断熱塗料が保温効果を持ち、夏だけでなく冬にも効果を発揮する点です。
◇断熱塗料
断熱塗料は、屋外からの熱の侵入を抑え、屋内の熱が逃げにくくなる効果があります。住宅の外壁や内部に塗ることで、太陽からの熱の伝導が抑えられ、夏は涼しく、冬は暖かい室内温度を保つことができます。
断熱塗料と似た効果を持つ塗料に遮熱塗料があります。両者は暑さを軽減する点では共通していますが、その仕組みには違いがあります。断熱塗料は熱の伝導を抑える塗料で、夏の暑さと冬の寒さ両方に効果があります。一方、遮熱塗料は熱を反射する塗料で、暑さを軽減する効果はありますが、寒さ対策には効果がありません。
遮熱塗料と断熱塗料の効果
遮熱塗料や断熱塗料を使用することで、室内の温度にどれほどの影響があるのでしょうか?これらの塗料は、外気温の変化に対する建物の反応を改善します。ここで塗料の効果について解説します。
◇遮熱塗料の効果
遮熱塗料の効果のひとつは、屋根や外壁の温度上昇を防ぐことです。これにより、家全体の温度上昇も抑えることができます。夏の強い日差しが照りつける中でも、太陽光を反射することで室内の温度上昇を抑え、エアコンの使用頻度が減ります。その結果、電気代の節約や省エネにもつながります。
実際、屋根に遮熱塗料を塗ると、屋根の温度が15~20℃ほど下がります。住宅には断熱層があるため温度差を感じにくいこともありますが、ロフトや屋根裏収納、空気層のない勾配天井などでは、室温が約10℃下がるため、体感でも効果を感じやすいです。
また、室内温度が3~5℃下がることもあり、冷房の設定温度を高めに設定できるようになります。エアコンは夏場の電気代を大きく消費するため、遮熱塗料によって消費電力を抑えることが省エネにつながります。
◇断熱塗料の効果
断熱塗料の効果は、屋根の種類や色によって多少異なりますが、真夏の日中に室内温度を3~5℃程度下げることができます。また、屋根の表面温度を約15℃下げる効果もあります。真夏の屋根は、日差しを直接受けることで表面温度が80℃を超えることもあり、かなり高温になります。
このような高温が屋内に伝わると、室内も非常に暑くなることは容易に予想できます。特に、「1階はそれほど暑くないのに、2階が特に暑い」と感じる住宅も少なくありません。2階部分は屋根の直下に位置し、温度が伝わりやすいため、屋根の表面温度が高くなると、さらに温度が上昇しやすくなります。
断熱塗料を使用することで、屋根の温度上昇を抑え、室内の温度管理がしやすくなるため、快適な生活空間を作り出すことができます。
メンテナンス性に優れた塗料
これまでに紹介した塗料のほかにも、近年では塗装技術が進化し、環境に優しいものから耐久性や省エネ性能を高めるものまでさまざまな塗料が開発されています。
◇自己清浄機能型塗料
自己清浄機能型塗料は、塗膜が時間と共に変化し、雨水などによって塗料に付着した汚れが塗膜成分と一緒に洗い流される仕組みを持つ塗料です。これにより、塗料自体がセルフクリーニング機能を備えることになります。さらに、流れ出た塗膜成分は人体に害を与えることがないため、安全に使用できる点が特徴です。
また、この塗料は表面に特別なコーティングを施しており、塗膜の隙間から汚れが入りにくくなっています。塗膜の細かな仕上がりとコーティングの馴染みやすい構造により、雨水が外壁に付着した汚れを自然に落とす仕組みになっています。
汚れが付きにくいため、遮熱性能が高く、赤外線を反射して省エネ効果を発揮します。さらに、耐久性が高く、ひび割れしにくい点も大きなメリットです。ただし、鳥の糞や樹液などの過度な汚れ、さびや黄砂などの無機質系の汚れには効果がありません。
このような汚れが付着した場合、自分で除去する必要があります。この点はデメリットと言えるかもしれません。また、太陽光や雨に触れることで機能を発揮するため、これらが当たりにくい場所では十分な効果が得られないことがあります。
◇低汚染塗料
低汚染塗料は、施工後に雨だれや汚れが付きにくい塗料です。一般的な塗料と比べて、きれいな状態を長く保つことができ、親水性にも優れている点が特徴です。親水性が高いということは、水と馴染みやすく、汚れが付着した場合でも、塗膜と汚れの間に雨水が入り込み、汚れを洗い流してくれる効果があります。
これにより、塗膜の経年劣化を引き起こすチョーキング現象も防ぐことができます。親水性が高いため、雨が降ると顔料と一緒に汚れも落ちるため、塗装前は基本的に雨だれによる汚れが気になることはありません。
また、この塗料は遮熱性も備えており、外壁の熱膨張を抑える効果があり、これも魅力的なポイントです。
◇抗菌塗料
抗菌塗料とは、「ウイルスが住みにくい環境を作る」塗料のことです。抗菌塗料を塗布することで、事前に菌の繁殖を抑える環境を作ることができます。抗菌塗料の主な特徴は、光を浴びることで二酸化チタンが酸化し、汚れや菌を取り除く「光触媒」を使用していることです。
この光触媒の効果を活かして、菌の繁殖を抑えることができます。また、光触媒以外にも、塗料そのものに抗菌効果が含まれているタイプもあり、抗菌効果の発揮方法は塗料ごとに異なります。そのため、塗装を検討している場所に適したものを選ぶことが重要です。
抗菌塗料のメリットとしては、カビの繁殖抑制やインフルエンザ予防効果が期待できることが挙げられます。さらに、消臭効果がある塗料もあり、さまざまな用途で活用できるでしょう。
省エネ意識の高まりに伴い、住宅の省エネ対策が注目されています。特に、遮熱塗料と断熱塗料は、エネルギー効率の向上と光熱費削減に効果的です。遮熱塗料は太陽光を反射し、室内の温度上昇を抑えることでエアコンの使用を減らし、断熱塗料は夏は涼しく、冬は暖かい環境を保ちます。
また、最近では自己清浄機能型塗料や低汚染塗料、抗菌塗料なども登場し、環境に優しく、メンテナンスが簡単な選択肢として注目されています。
これらの塗料は、住まいの快適性を向上させ、光熱費の削減や環境保護にも寄与します。特に、家庭の光熱費削減や耐久性向上に貢献するため、今後さらに需要が高まると考えられます。
