外壁塗装の塗料価格による違いと耐久性の高い塗料を選ぶ利点
公開:2024.07.26 更新:2024.08.21
外壁塗装を行う際、塗料の選択は非常に重要です。塗料の価格には大きな幅があり、これが耐久性や性能に直結しています。安価な塗料は一見魅力的に感じられますが、耐久性が低く、再塗装の頻度が高くなるため、長期的にはコストがかさむ可能性があります。
一方、高価格帯の塗料は、初期投資が高くても、耐久性や防水性、遮熱性などに優れており、長期間にわたって建物を保護します。外壁塗装を成功させるためには、塗料の価格とその耐久性、性能をしっかりと理解し、最適な選択をすることが重要です。
目次
塗料に沢山の種類がある理由と役割
塗料ついて考えるとき、「どれも同じではないのか?」と思う方も多いでしょう。しかし、実際には、塗料はそれぞれ異なる特性を持っています。
◇塗料の種類が多い理由
塗料の種類が多い理由には、化学の進歩と消費者のニーズの多様化があります。まず、化学の進歩により、高性能な塗料が次々と開発されました。これにより、耐久性や性能が向上し、様々な機能を持つ塗料が登場しています。例えば、遮熱性、防水性、防汚性、防カビ性などの機能があります。
次に、消費者のニーズが多様化していることも大きな理由です。人々はそれぞれ異なる目的や環境に合わせた塗料を求めています。そのため、塗料メーカーは様々な価格帯、耐久性、機能を持つ製品を開発し、提供する必要があります。
このようにして、多種多様な塗料が市場に出回るようになりました。結果として、消費者は自分のニーズに最も合った塗料を選ぶことができるようになっています。
◇塗料の役割
塗料には、家を守る重要な役割があります。まず、塗料は乾燥すると表面に膜を作り、この膜が紫外線や雨、汚れなどの外的刺激から家を守る役割を果たします。これにより、家の耐久性が向上し、資産価値が保たれます。
次に、塗料は家の美しさを演出します。さまざまな色や艶感があり、塗り方を変えることで模様を付けたり、素材感を変えたりすることができます。これにより、家の外観を自分好みにカスタマイズすることが可能です。
さらに、塗料には特定の効果を付加する役割もあります。最近の塗料は進化しており、紫外線や苔、カビを防ぐだけでなく、遮熱や断熱、光触媒効果などさまざまな機能を持つものがあります。これにより、塗料を塗るだけで家に新たな機能を追加することができ、快適な住環境を維持するのに役立ちます。
価格が安い塗料の特徴と注意点

画像出典:フォトAC
一般的に、塗料の価格はその耐久性と直接関連しています。価格が安い塗料には一見魅力的に思える点も多いですが、いくつかの特徴と注意点を理解しておくことが重要です。塗料を選ぶ際には、価格だけでなく、その耐久性や性能も考慮する必要があります。
◇塗料の価格による違い
塗料の価格は、その成分と製造プロセスによって大きく異なります。価格が低い塗料は、一般的に耐久性が低く、汚れがつきやすいというデメリットがあります。これは、低価格の塗料は、一般的に低品質の原材料から作られ、製造プロセスも簡易的であるため、高品質の塗料と比較して耐久性が低くなる傾向があるからです。
◇ウレタン塗料の特徴
一方、最も価格が低い塗料はアクリル塗料ですが、その耐用年数の低さから、外壁塗装にはあまり使われていません。その代わり、一般的に選ばれることの多い塗料はウレタン塗料です。
ウレタン塗料は、その耐久性とコストパフォーマンスのバランスから、多くの人々に選ばれています。しかし、ウレタン塗料にもデメリットがあります。ウレタン塗料は外壁材に断熱材が入っている場合、外壁と塗膜の間に熱がこもりやすい性質があります。
これにより、熱によって塗膜が膨らみ、剥がれてしまうことがあります。また、サビや手垢などの異物が混入して空気が入り、塗膜が膨らむこともあるため、塗装面の清掃と準備が重要です。
耐久性の面では、ウレタン塗料は他の塗料と比較して低めです。耐久性は約5〜10年程度で、フッ素塗料などと比べると頻繁に塗り替えが必要になります。さらに、紫外線の影響を受けやすく、特に屋根や外壁など太陽光にさらされる部分では黄色く変色することがあります。
多く選ばれている塗料とは?シリコン塗料が人気の理由
外壁塗装において、一般的に最も選ばれている塗料はシリコン塗料です。では、なぜシリコン塗料がこれほどまでに人気があるのでしょうか。
◇高い人気を持つシリコン塗料
シリコン塗料は、その優れた性能とコストパフォーマンスから、外壁塗装において非常に高い人気を誇っています。特に、耐久性と防水性に優れているため、長期間にわたって建物を保護することが可能です。
また、シリコン塗料は、色の種類が豊富で、自分の好みに合わせて選ぶことができるため、デザイン性にも優れています。
◇シリコン塗料の特徴
シリコン塗料は耐久性が高く、汚れに強い点が特徴です。ウレタン塗料と比べて耐久性が優れ、600℃前後の高温にも耐えられる耐熱性があります。また、撥水性があり、酸性雨や強風にも強い耐候性も持っています。
コストパフォーマンスも良く、外壁面積が約100㎡の家に塗装する場合、シリコン塗料はウレタン塗料よりもやや高価ですが、耐用年数が8年〜12年と長いため、費用対効果が高いです。一度塗装すれば約10年間は外壁を保護します。
さらに、シリコン塗料は光沢やツヤがあり、美しい仕上がりになります。セラミック成分が配合された製品は特に汚れがつきにくく、断熱性や遮熱性も高いです。これにより、建物の美観を長期間保ちつつ、快適な住環境を提供します。
高い耐久性を求める場合におすすめの塗料
家の外壁や屋根の塗装は、その耐久性によって大きく異なる結果をもたらします。特に、長期間にわたって外壁を保護したいと考えている方にとって、高耐候型塗料は最適な選択肢となります。
◇高い耐久性を持つ塗料を選ぶ利点
高い耐久性を持つ塗料は、期待耐用年数が15年以上と長く、変性無機・無機配合型フッ素・ピュアアクリルの樹脂を使用しています。これらの塗料は初期投資が高く感じられますが、その長期的な耐久性を考えると、結果的にはランニングコストが低くなり、経済的にも有利となります。
外壁塗装は人生の大きな投資の一つであり、その価値はその耐久性によって大きく左右されます。安価な塗料を選ぶと、その耐久性が低く、早期に再塗装が必要となる可能性があります。しかし、高耐候型塗料を選ぶことで、そのような早期の再塗装の必要性を避けることができます。
また、家が古くなってきた方や、何年かごとに外壁の色を変えてイメージチェンジをしたいと考えている方など、耐久性の短い塗料の方が適しているケースもあります。
◇無機塗料の特徴
無機塗料は、「無機成分」と「有機成分」を組み合わせて作られた塗料です。この塗料は、無機と有機それぞれの成分がお互いの弱点を補完し合うことで非常に高い性能を発揮します。
無機成分は耐候性に優れていますが、硬度が高いためひび割れやすいという欠点があります。一方、有機成分は柔軟性に富んでいるものの、経年劣化しやすいという特性があります。無機塗料はこれら二つの成分を組み合わせて欠点を補い、耐久性と柔軟性を両立させています。
無機塗料の特徴として、耐久性、耐候性、耐薬品性に優れており、紫外線や温度変化、酸性雨に強く、耐用年数が長い点が挙げられます。また、防カビ性、防藻性が高いため、カビや藻(コケ)が発生しにくく、湿気の多い立地に適しています。さらに、親水性が高いため、雨が降れば表面の汚れを洗い流し、メンテナンスが非常に楽です。
耐用年数は15年から25年以上と言われており、不燃性も持ち合わせているため、火事の際に燃えにくいという特長もあります。これらの特徴から、無機塗料は長期的に見て非常に優れた塗料と言えるでしょう。
塗料には多くの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。塗料の種類が多い理由には、化学の進歩と消費者のニーズの多様化があります。塗料には家を守る重要な役割があります。塗料は乾燥すると表面に膜を作り、紫外線や雨、汚れから家を守ります。
また、塗料は家の美しさを演出し、さまざまな色や艶感で外観をカスタマイズできます。さらに、塗料には特定の効果を付加する役割もあり、遮熱や断熱、光触媒効果などを持つ塗料が存在します。
塗料の価格によって耐久性が異なり、価格が低い塗料は一般的に耐久性が低く、汚れがつきやすいです。ウレタン塗料は価格と耐久性のバランスが良いですが、耐久性は5〜10年程度と他の塗料より低めです。
