外壁のデザインを守るクリア塗装!おすすめのケースと注意点
公開:2024.10.28 更新:2024.11.08
外壁のデザインを保ちながら、劣化を防ぐ方法として注目されているのがクリア塗装です。透明な塗料を使用するため、素材本来の美しさを損なうことなく、外壁を紫外線や風雨から守ることができます。
外観のデザインや質感を重視する方におすすめですが、劣化が進んだ外壁や特殊なコーティングが施されている場合には不向きなこともあるため、適切な判断が必要です。こちらでは、クリア塗装のおすすめケースや注意点を詳しく解説します。
目次
クリア塗装とは?特徴と利点
外壁や建築物の表面に施すクリア塗装は、その素材を保護しつつ、見た目を美しく仕上げる方法として注目されています。特に近年、外壁の美観を保つためのメンテナンスや耐久性を向上させる手段として、クリア塗装が再評価されているのです。
◇クリア塗装とは
クリア塗装は、透明な塗料を建材表面に塗布する施工方法です。建物の外観デザインや素材の質感を損なわずに保護することができ、塗料そのものが透明なため、素材本来の色合いや模様が際立ちます。
このため、既存の外壁を変更せずに保護したい場合や、自然な外観を保ちつつメンテナンスを施したい場合に特に適しています。また、クリア塗装は紫外線や風雨から外壁を守り、長期間の劣化を防ぐ役割も果たします。これにより、建物全体の寿命を延ばし、外観を美しく保つことが可能になります。
◇クリア塗装を行うメリット
クリア塗装を施すと、建物の外壁に自然なツヤを出すことができます。塗料の透明感が外壁の色や質感を活かしつつ光沢をもたらすため、建物がより美しく、目を引く仕上がりになります。
沢のある外観は、一般的に高級感を感じさせる要素であり、住宅や商業施設の価値を引き上げる効果が期待できます。また、光沢の度合いは塗料の種類や施工方法によって調整可能なため、好みに合わせて選択することも可能です。
一般的な塗装の場合、経年劣化により外壁が粉状に劣化する「チョーキング現象」が見られますが、クリア塗装はこの問題を回避できます。チョーキング現象は塗料の劣化が進むにつれて表面が粉を吹いたようになる現象で、見た目が悪くなるだけでなく、素材の保護機能も失われてしまいます。
クリア塗装は耐候性に優れた成分を含んでいるため、紫外線や風雨の影響を受けにくく、チョーキング現象を防ぐことができるのです。この点からも、クリア塗装は美観を保つだけでなく、素材そのものの劣化も抑える効果があるといえます。
クリア塗装が向いているケース

画像出典:フォトAC
建物の外観を長く美しく保つために欠かせない外壁塗装ですが、その中でも「クリア塗装」は、既存のデザインや質感を損なうことなく耐久性を強化する方法として、特に人気です。
この方法は、特定の素材やデザインに適しており、適切に選べば建物全体の見た目や価値を維持することが可能です。ここでは、クリア塗装が向いている代表的なケースについて、詳しく解説します。
◇ 窯業系サイディング
窯業系サイディングは、モルタルやコンクリートといった自然素材をもとに、セメントと繊維質を混ぜて形成された外壁材です。耐火性や耐久性が高く、さまざまなデザインや色が選べることから、多くの住宅に使用されています。
このサイディングにクリア塗装を施すことで、既存のデザインを活かしつつ、さらなる保護が得られます。通常、窯業系サイディングはもともとの色や質感が魅力で、長期間美しい外観を保つことが求められます。
クリア塗装は、この見た目を変えることなく、紫外線や風雨による劣化を防ぎ、ツヤや鮮やかさを維持します。特に、光沢のあるタイプのサイディングや、特殊なデザインが施されている場合、クリア塗装は理想的です。
また、サイディングが劣化する前に定期的にクリア塗装を行うことで、外壁自体の寿命を延ばす効果も期待できます。適切なタイミングで塗装を重ねることで、長期的なメンテナンスコストを抑えることができる点も見逃せません。
◇ 打ちっぱなしのコンクリート
打ちっぱなしコンクリートの外壁の保護のために、通常は撥水剤を使用しますが、より強力な保護を求める場合にはクリア塗装がおすすめです。クリア塗装はコンクリートの自然な質感を活かしながら、耐久性を高め、ひび割れや雨水の浸入を防ぐ効果を発揮します。
特に、撥水剤の上からクリア塗装を施すと、表面保護の強度が増し、耐用年数も伸ばすことができます。透湿性のあるクリア塗装を使用することで、コンクリートの通気性を保ち、内側からの劣化も抑えられるため、メンテナンスのしやすさと耐久性を両立できます。
クリア塗装が不向きなケース
クリア塗装は、建物の外壁を美しく保ちつつ、耐久性を向上させる方法として人気です。
しかし、すべての外壁に適しているわけではなく、クリア塗装が効果を発揮しにくいケースも存在します。ここでは、クリア塗装が不向きな代表的なケースについてご紹介します。
◇劣化が著しい外壁
外壁が経年劣化により傷んでいる場合、クリア塗装の効果が十分に発揮されません。外壁表面にひび割れや剥がれが見られる場合、塗装による防水性の向上や美観の回復が難しくなることが多いです。
また、クリア塗装は透明な塗料であるため、すでに劣化した外壁の状態を隠すことはできません。このような場合は、下地の補修や塗り替えを行った上で、より厚みのある塗料や、外壁自体の交換を検討するのが賢明です。
◇特殊コーティングされた外壁
特殊なコーティングが施された外壁には、クリア塗装が効果を発揮しないことがあります。
たとえば、撥水加工や親水性のあるコーティングがされた外壁は、既存の塗膜が十分な防水機能を持っているため、クリア塗装を追加する必要がない場合が多いです。
また、既存の特殊コーティングがクリア塗料との相性が悪い場合、塗料が剥がれたり、ムラが生じたりすることも考えられます。特殊コーティングが施されているかどうかを見極め、クリア塗装の適用を検討する際には、事前に専門家の判断を仰ぐと良いでしょう。
◇ひびを補修することはできない
クリア塗装は、表面的な保護膜としての役割を果たしますが、ひび(クラック)を修復する機能はありません。ひび割れた外壁にクリア塗装を施すと、表面の保護は期待できるものの、内部まで浸透する水分の影響を防ぐことが難しくなります。
特に、深いクラックは外壁材を劣化させ、建物の構造に悪影響を与える恐れがあるため、ひび割れを適切に補修した後でないと、クリア塗装を施す意味がなくなってしまいます。クラックが目立つ場合は、塗装の前に補修工事を行い、外壁の状態を万全に整えることが重要です。
注意点を抑えて美しい外壁を手に入れよう
美しい外壁を保つために、さまざまな塗装方法が選ばれていますが、クリア塗装は特に外壁の自然な風合いを大切にしたい方におすすめです。
◇クリア塗装の注意点
クリア塗装は外壁のデザインや素材そのものの美しさを活かす方法ですが、選ぶ際にはいくつかの注意点があります。まず、クリア塗装は透明なため、外壁の下地が劣化している場合、そのまま見えてしまいます。
そのため、塗装前には外壁の汚れやひび割れをしっかりと確認し、必要に応じて補修することが重要です。特に、汚れや色褪せが目立つ外壁にクリア塗装を施すと、かえって美観を損ねる原因となります。
また、クリア塗装は紫外線や雨風による影響を直接受けやすい外壁に対しては耐久性が低くなることがあります。外壁の種類や環境に適した塗料を選ばなければ、長期的な保護効果を期待できない可能性があります。
さらに、特殊な加工が施された外壁にはクリア塗装が適さない場合もあるため、施工業者と相談し、外壁材の種類に応じた対策が求められます。
◇外壁のデザインを活かしたい場合はおすすめ
クリア塗装は、外壁のデザインをそのまま保ちながらリフレッシュしたい場合に最適な方法です。塗装を行うことで、外壁が新しく保護され、耐久性も向上しますが、既存の模様や色合いを維持したいときに特に有効です。
また、クリア塗装によって紫外線や汚れから外壁を守りつつ、質感を引き立てる効果も期待できます。現在のデザインを維持したい方には、環境に合ったクリア塗料を選ぶことで、美しい外壁を長期間保つことが可能です。
クリア塗装は、建物の外観デザインや素材の質感を保ちながら、耐久性を向上させるために施される透明な塗料です。特に窯業系サイディングや打ちっぱなしコンクリートに効果的で、紫外線や風雨からの保護を強化し、外壁の美しさを長期間保つことができます。
また、クリア塗装は経年劣化による外壁のチョーキング現象を防ぎ、メンテナンスコストの削減にも貢献します。 ただし、劣化が進んだ外壁や特殊コーティングが施された外壁には不向きな場合があり、施工前に外壁の状態を確認することが重要です。外壁のデザインを活かしたまま耐久性を高めたい場合には、クリア塗装も選択肢に加えることをおすすめします。
