外壁塗装のDIYは難しい?手順と失敗しがちなポイント
公開:2024.10.28 更新:2024.11.08
外壁塗装をDIYで行うことは、費用を抑え自分好みに仕上げることができるため、近年注目を集めています。しかしながら、高所作業や均一に塗る技術が求められるため、決して簡単な作業ではありません。
特に初めて挑戦する場合、準備不足や施工ミスによる失敗が起こりやすいのが現状です。こちらでは、DIYで外壁塗装を行うための基本手順と、失敗しがちなポイントについて解説します。
目次
魅力もあるが難易度が高い外壁塗装のDIY
近年、自宅の外壁塗装をDIYで行うことが増えています。費用の節約や自分の好みに合わせた仕上がりを楽しむことができる一方で、高所作業や専門知識が必要なことから、決して簡単な作業ではありません。
◇外壁塗装をDIYする魅力
外壁塗装をDIYで行うことには、多くの魅力があります。まずプロに依頼するよりもコストを大幅に削減できる点も魅力の一つです。材料費や工具代はかかりますが、業者に依頼する費用に比べればかなりの節約になります。
また、自分のペースで作業ができるため、時間に追われることなく、じっくりと仕上げることができるのも大きな利点です。加えて、自分の好きな色に自ら塗装を行えるため、家に対する愛着が増し、メンテナンスにも積極的になれるでしょう。
◇高所や全体の塗装は難しい
外壁塗装のDIYは魅力的な一方でリスクも伴います。特に、高さが2メートル以上になると、作業の難易度は格段に上がります。多くの人が「ちょっとした高所だから大丈夫」と考えがちですが、実際には、転落や落下物による事故が多く、無理をして作業を行うことは危険です。
高さのある塗装では、しっかりとした足場を組む必要があり、そのためには専門的な知識と技術が求められます。安易な考えで始めてしまうと、大きな怪我や事故につながりかねません。
また、全体の外壁塗装も簡単ではありません。外壁の面積が大きいほど、作業が複雑になるため、効率的な作業手順を考える必要があります。特に塗装作業は、均一に塗ることが求められるため、経験のない人が行うとムラができてしまったり、乾燥時間を考慮せずに塗り重ねてしまったりすることもあります。
特に高所の場合、塗料が風に煽られたり、思いがけない方向に飛び散ったりすることもあるため、慎重な取り扱いが必要です。
外壁塗装のDIYを行なう際に必要な準備

画像出典:フォトAC
外壁塗装をDIYで行うことは、自宅の外観を美しく保つための素晴らしい方法です。
しかし、成功するためには適切な準備が不可欠です。ここでは、必要な道具や塗料について詳しく解説します。
◇ 必要な道具
外壁塗装では、様々な道具が必要になります。まず最初に必要なのは、高品質な刷毛とローラーで塗料を均一に塗布するために欠かせないアイテムです。また、使用する塗料の種類によって、刷毛の毛の硬さやローラーのタイプも選びましょう。さらに、エッジや細かい部分を塗るための小さなブラシも準備しておくと便利です。
次に、塗装面の下処理を行うためにサンドペーパーやケレンツールが必要で、古い塗膜を剥がすためや、表面を滑らかにするためにこれらの道具は重要です。また、マスキングテープやシートも忘れずに用意しましょう。これにより、塗装したくない部分を保護し、仕上がりを美しく保つことができます。
最後に、作業中の安全を考慮して、ゴーグルやマスク、手袋などの保護具を着用することをお勧めします。これらの道具を用意することで、安心して塗装作業に臨むことができるでしょう。
◇ 必要な塗料
塗装に使用する塗料は、作業の成否を決定づける要素の一つです。まず、外壁に塗る塗料の種類を選ぶ必要があります。主に水性塗料と油性塗料があり、それぞれに特徴があります。
水性塗料は扱いやすく、乾燥が早いのが特徴です。また、匂いが少なく、環境にも優しいため、多くの家庭で選ばれています。一方、油性塗料は耐久性に優れ、長持ちするため、過酷な環境にさらされる外壁には向いています。
選ぶ際は、使用する場所や環境に応じたものを選びましょう。さらに、外壁塗装には下塗り塗料と上塗り塗料が必要です。下塗り塗料は、塗装面の密着性を高め、上塗り塗料の発色を良くする役割を果たします。
下塗りの段階でしっかりと塗装することで、仕上がりの美しさや耐久性が向上します。上塗り塗料は、見た目の美しさや外壁の保護を目的とし、さまざまな色や質感が選べます。自分の好みに合わせて、仕上がりを楽しむことができるのもDIYの醍醐味です。
DIYでよくある失敗例と注意点
専門的な知識や技術が必要な外壁作業は、思わぬ失敗を招くことが少なくありません。外壁DIYに挑戦する前に、よくある失敗例や注意点を把握しておくことで、トラブルを防ぎ、より効果的な作業を進めることができます。
◇転倒や落下の危険
DIY作業を行う際、最も注意が必要なのは安全面です。特に高所作業を行う場合では、転倒や落下のリスクが高まります。足元が不安定な状態や、道具を置き忘れることは、事故の原因となることが多いです。
例えば、脚立を使用する際は、しっかりとした場所に設置し、周囲に障害物がないか確認することが重要です。作業を行う前には必ず、周囲の環境を確認し、安全第一で行動するよう心がけましょう。
◇長持ちしない
DIYで作った作品や修理は、プロに任せた場合と比べて、見た目は良くても、長持ちしないケースが多いです。使用する材料や施工方法が原因で、安価な塗料を使った場合、すぐに色が褪せたり、剥がれたりすることがあります。
材料選びや施工方法をしっかりと考えることで、作品の耐久性を高めることができます。
加えて、適切なメンテナンスを行うことで、DIY作品の寿命を延ばすことが可能です。長く使えるように、計画的に取り組む姿勢が求められます。
◇思ったよりも時間がかかる
DIYは楽しい作業ですが、実際には計画以上に時間がかかることが多いです。特に、初めての作業や複雑な工程が含まれる場合、予想以上の時間を要することがあります。
外壁の洗浄から中塗り・上塗りの工程までの作業を自分で行うとなると、45日から60日程度必要です。また作業の手順を理解するのに時間がかかることや、材料の準備や道具の設置に思った以上の手間がかかってしまいます。
そのため、作業を始める前に十分な時間を確保することが重要です。特に休日に作業を行う場合、前もってスケジュールを立て、余裕を持った計画を立てることが大切です。
◇色ムラが生じる
DIYでの塗装作業では、特に色ムラが発生しやすいですこれは、塗料の塗り方や乾燥時間が不均一であることが原因です。初心者は、均等に塗ることが難しく、結果として部分的に濃淡ができてしまうことがよくあります。
現在の塗装では、ローラーを使用するのが主流なので、ある程度は色むらが少なくなるとされていますが、塗料を均一に塗るためのテクニックを習得することも有効です。乾燥時間に関しても、塗料の種類に応じて指示に従い、焦らずに進めることが必要です。
外壁塗装をDIYで行う際の手順
外壁塗装を自分で行うことは、多くの人にとって挑戦しがいのあるプロジェクトです。しかし、成功させるためには、いくつかの重要なステップを理解し、計画的に作業を進める必要があります。
◇洗浄
最初のステップは、外壁の洗浄です。塗装を行う前に非常に重要な工程であり、外壁に付着しているほこりや汚れを取り除くことで、塗料がしっかりと密着する基盤を整えます。
洗浄には、高圧洗浄機を使用することが一般的です。
特に注意が必要なのは、カビや藻が生えている部分で、これらを取り除くためには、専用の洗剤を使うと効果的です。しっかりと洗浄した後は、外壁を完全に乾燥させることが肝心です。
◇養生
洗浄が終わったら、次に養生を行います。これは、塗料が付いてはいけない部分を保護する作業で、窓やドア、基礎部分などをマスキングテープやビニールシートで覆います。
養生を丁寧に行うことで、仕上がりが美しくなるだけでなく、後の手間を減らすことにもつながります。この工程は手間がかかりますが、妥協せずに丁寧に作業することが大切です。
◇下地処理
次に、下地処理を行います。外壁の状態によっては、ひび割れや剥がれが見られることがあります。これらの欠陥は、塗装後に大きな問題を引き起こす原因となるため、事前にしっかりと処理しておく必要があります。
ひび割れには専門道具である「シーリング材」を用いることが一般的です。下地が整ったら、乾燥させることを忘れないでください。
◇下塗り
下地処理が完了したら、いよいよ下塗りに入ります。下塗りは、上塗りを行う前の準備として非常に重要な役割を果たします。下塗り用の塗料は、上塗り用の塗料とは異なり、主に密着性を高めることを目的としています。
塗装にはローラーや刷毛を使用し、均一に塗ることが求められます。この工程でしっかりとした下地を作ることが、後の仕上がりに大きく影響します。下塗りが完了したら、乾燥時間をしっかりと守りましょう。
◇上塗り
最後のステップは、上塗りです。下塗りがしっかりと乾燥した後、いよいよ上塗りに取り掛かります。塗料によって二度塗りが必要な場合がありますので、メーカーの指示に従って適切に施工してください。最後に、仕上がりを確認し、必要であれば修正を行います。
外壁塗装のDIYには、プロに依頼するよりもコストを大幅に削減でき、自分のペースで作業を進められるという大きな魅力があります。また、自分好みの色を選び、塗装することで、家への愛着が増し、メンテナンスにも積極的になるでしょう。
しかし、一方で高所作業や専門的な技術が必要なため、リスクも伴います。特に2メートル以上の高さでの作業や、外壁全体を均一に塗ることは、初心者には難しいことが多く、しっかりとした準備と計画が不可欠です。
塗料選びや道具の準備、そして適切な施工手順を守ることで、仕上がりの美しさや耐久性を高めることができますが、失敗しないためには時間の確保や丁寧な作業が重要です。特に色ムラや乾燥時間の管理には十分な注意が必要であり、慎重に進めることが成功のカギとなります。
