外壁塗装の費用が業者により異なる理由は?費用を抑えるためのポイント
公開:2024.09.19 更新:2024.11.08
外壁塗装の費用は、同じ塗装作業でも依頼する業者によって大きく異なります。その理由には、使用する塗料の種類や品質、職人の技術レベル、中間マージンの有無など、さまざまな要素が関係しています。塗料の選び方や施工時期など、費用を抑えるためのポイントを知っておくことで、賢く外壁塗装を進めることが可能となります。
目次
外壁塗装の費用相場は?費用が左右する要因
外壁塗装費用は、建物の大きさや使用する塗料、外壁の劣化状況など、さまざまな要因によって大きく変動します。また、施工業者によっても費用が異なるため、事前に確認することが重要です。
◇外壁塗装の費用相場
主に建物の坪数や塗装面積に応じて異なり、例えば、10坪(約40㎡)の建物では20~40万円、20坪(約79㎡)では40~70万円が目安です。30坪(約119㎡)になると費用は60~100万円、50坪(約198㎡)の場合は100~160万円がかかることが多いです。
これらの費用はあくまで相場であり、実際の価格は塗料の種類や作業内容、業者によっても変動します。
◇外壁塗装の費用を左右する要因
費用はさまざまな要因によって左右されますが、大きな要因としては塗装する面積の大きさです。建物が大きくなるほど、使用する塗料の量が増え、それに伴って施工費用も高くなります。
また、使用する塗料の種類も費用に大きく影響します。耐久性が高く、長持ちする塗料ほど初期費用が高くなる傾向がありますが、その分、塗り替えの頻度が少なくなるため、長期的なコストパフォーマンスは優れていると言えるでしょう。
さらに、外壁の状態が悪い場合は、補修作業が必要となり、その分の費用が追加されます。特にひび割れや劣化が進行している場合、補修費用は高額になることがあります。
業者によって費用が異なる理由

画像出典:フォトAC
外壁塗装の費用は、依頼する業者によっても大きく異なります。その理由には、使用する塗料の種類や質、職人の技術や経験、中間マージンの有無などさまざまな要因が影響しています。
◇中間マージンの有無
大手メーカーでは、塗装作業を下請けや孫請け業者に任せることが一般的です。そのため、複数の業者が関わることで中間マージンが発生し、結果的に費用が高くなることがあります。
一方で、地元の業者は自社の職人が直接作業を行うことが多いため、中間マージンが発生せず、比較的低価格で施工できるのが特徴です。このように、費用の違いは中間マージンの有無や、その割合が大きな要因となっています。関与する業者が増えるほど、動く人の数も増えるため、その分費用にも反映されるのです。
◇塗料の質や使用量
高品質の塗料は耐久性が高く、長持ちするため、初期費用は高くなりますが、長期的にはコストを抑えることが可能です。一方、低品質の塗料は初めは安くても、数年後には再塗装が必要になることが多く、結果的に高くつく場合があります。
また、塗料の使用量も費用に影響を与えますが、見積もりに明確に記載されていないことがあるため、詳細を確認することが重要です。
◇職人の熟練度
外壁塗装の費用は、職人の経験や技術によって大きく変わります。塗装経験が5年程度の職人であれば、費用は抑えられるかもしれませんが、仕上がりが不十分になったり、塗りムラが発生する可能性があります。
また、見逃した部分があると、後に修繕が必要になり、追加の費用がかかることもあるでしょう。一方で、20年の経験を持つベテラン職人は、丁寧で均一な仕上がりを提供し、しっかりとした塗装を行うため、長持ちする仕上がりが期待できます。
その結果、全体的なコストパフォーマンスも高くなります。職人の熟練度と経験は、費用に大きな影響を与える要因のひとつです。
相見積もりで比較する際のコツ
外壁塗装を依頼する際、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は、費用や工事内容を正確に比較するための重要なステップです。しかし、ただ見積もりを集めるだけではなく、上手に比較するコツを押さえることで、より納得のいく選択が可能になります。
◇相見積もりの必要性
外壁塗装は人生で何度も行うものではないため、費用だけでなく失敗を防ぐためにも、複数の業者から見積もりを取り、信頼できる業者を選ぶことが重要です。相見積もりを行うことで、まず費用が適正かどうかを比較でき、見積書に記載された工程や使用される塗料・材料が正しく反映されているかも確認できます。
また、不要な作業や過剰な提案に気づき、本当に必要な工事だけを選ぶことで無駄な費用を抑えられます。さらに、相見積もりを通して工事内容を把握し、実際の工事が見積もり通りに行われているか確認することで、手抜き工事を防ぐことにも繋がるでしょう。
◇相見積もりで成功するためのコツ
相見積もりで成功するためには、まず2〜3社に依頼するのが適切です。あまり多くの業者に見積もりを頼むと、手間や時間がかかりすぎて、スムーズに比較ができなくなってしまいます。また、すべての業者に同じ条件を伝えることも大切です。
異なる条件を業者ごとに伝えてしまうと、見積もり内容や費用が正しく比較できず、適正な判断が難しくなります。さらに、1社に対して複数のパターンの見積もりを依頼することも有効です。
例えば、耐久性の高い塗料と一般的な塗料の違いを比較することで、どちらが自分にとって最適か判断しやすくなります。これらのコツを押さえながら相見積もりを行えば、納得のいく選択ができ、後悔のない外壁塗装を実現できるでしょう。
外壁塗装の費用を抑えるためのポイント
外壁塗装の費用を抑えるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。塗料の選び方や工事を依頼するタイミング、さらに自治体の助成金や火災保険の活用など、さまざまな方法でコストを削減することが可能です。
◇外壁と屋根を同時に塗装
塗装工事において、足場の設置費用は全体の15〜25%を占めるため、外壁と屋根を別々に塗装すると、2回分の足場代がかかってしまいます。しかし、これらを一度に依頼することで足場を1回しか設置しないで済むため、約20万円もの節約が期待できます。
また、屋根塗装や雨どいの修理など、高所での作業が必要な工事も同時に行えば、さらなる費用削減と工事期間の短縮が可能です。外壁塗装を考える際には、屋根やその他の高所作業と一緒に依頼することで、効率よくメンテナンスができるでしょう。
◇塗料のグレードを下げる
塗料のグレードを下げることで、外壁塗装の初期費用を抑えられますが、その分耐久性が低くなるため注意しましょう。一般的な塗料には「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」の4種類があり、アクリルが最も安価で、フッ素が最も高価です。
外壁や屋根など、特に紫外線が強く当たる部分には、耐久性の高いシリコンやフッ素を使用し、コストを抑えたい雨どいや破風板などの付帯部分にはウレタンを使う方法が有効です。このように、場所ごとに適切な塗料を選ぶことで、費用を抑えながらも外観を長く美しく保てます。将来的なメンテナンス費用も考慮して、最適な塗料を選ぶことが大切です。
◇閑散期に塗装を行う
外壁塗装の費用を抑えるためには、閑散期である夏や冬に依頼するのが効果的です。この時期は依頼が少ないため、業者が値引きをして工事を受けることが多く、費用を抑えるチャンスになります。
一方、秋は天候が安定しているため、外壁塗装の繁忙期となり、依頼が集中して見積もりが高くなる傾向があります。最近では、夏や冬でも使用できる塗料が増えており、品質を維持しながらもお得に工事を行うことが可能です。ただし、無理な値引き交渉は工事の品質に影響を与える可能性があるので、注意しましょう。
◇火災保険や助成金の適用が可能か検討する
火災保険に加入している場合、自然災害による被害が補償対象となれば、外壁の修繕費に保険金が適用される可能性があります。ただし、全額が補償されるわけではなく、保険会社の審査によって金額が決まるため、審査前に工事を進めないよう注意が必要です。
また、自治体によっては、省エネルギー対策として遮熱塗装などに助成金を提供していることもあります。工事前に自治体の制度を確認し、適用できるかどうかを検討することで、費用負担を大幅に軽減できる場合があります。
外壁塗装の費用は、建物の大きさ、塗料の種類、外壁の劣化状態など多くの要因で変動します。一般的に、10坪で20~40万円、50坪で100~160万円が相場ですが、実際の価格は業者や作業内容で異なります。
費用に影響する要因には、塗装面積の大きさ、使用塗料の質、職人の技術や経験が挙げられます。中間マージンの有無も費用に差を生む要因で、地元業者は直接作業を行うため、コストを抑えられる傾向があります。
費用を抑えるためのポイントとして、外壁と屋根の同時塗装、塗料の選択、閑散期の施工、火災保険や助成金の活用が効果的です。特に、相見積もりを取って費用と工事内容を比較することが、最適な業者選びと納得のいく塗装の実現につながります。
